昨日徹夜をしまして、ワンストップ見積もり本の原稿を書き上げました。
ワンストップ見積もり本は、C95(2018冬コミ)の親方Projectにて頒布される予定の技術同人誌です。「おやかた.am」という技術同人誌を紹介するポッドキャストと、私が技術書典で頒布した、エンジニアアンチパターンのコラボによって誕生しました。
誕生のきっかけは、ぜひともポッドキャストを聞いていただければと思います。ワンストップ見積もり本は、見積もりについてひたすら言及する、稀有な本です。10名以上の著者によって執筆される予定です。
宣伝も兼ねまして、見積もりについて少し語っていきたいと思います。
見積もりの難しさ
エンジニアアンチパターンには、「過小見積もりで炎上するプロジェクト」という、見積もりに失敗した話があります。
「おやかた.am」を聞いていて感じたことは、やはり見積もりは難しいということです。IT業界には、徹夜や帰れないといったイメージが、どうしても付きまといます。それらは大抵、無茶な見積もりや仕様変更、想定外の作業による工数の膨らみなどによって、引き起こされます。
- 予算が足りないので、増員できません。残業でカバーしましょう
- 納期はずらせませんが、機能は削れませんし、品質も妥協できません
- ...etc
炎上しうるプロジェクトでは、さまざまな悲劇が起こります。兎にも角にも、プロジェクトは炎上すると辛い目に合います。見積もりは、慎重にやる必要があります。
そこで、見積もりに関する経験、知恵や知識を結集しようという想いで誕生したのが、「ワンストップ見積もり本」です。
SHIROBAKOで感じる、見積もったスケジュールを守ることの難しさ
プロジェクトの炎上はどのようなものかと申しますと、アニメのSHIROBAKOを見てもらうと分かりやすいです。
「SHIROBAKO」で描かれるのは、アニメ制作の現場です。主人公である宮森あおい(みゃーもり)は、制作進行というポジションのため、スケジュールを管理しています。
アニメ制作には「監督」「原画」「アニメーター」「CGクリエイター」「サウンド」をはじめ、さまざまな役割の人たちが関わっています。そこで、それぞれのスケジュールを調整するために制作進行というポジションが必要です。
しかしながら、このスケジュール管理はとても難儀です。さまざまな要因によって、オンスケから少しずつスケジュールが遅延します。
- 監督がいつまでも絵コンテに迷っている
- 制作陣の仲違いが発生して、チームがバラバラになってしまった
- 少しずつスケジュールが遅れていき、ついには当日ギリギリ納品になってしまう
アニメの制作が間に合わなくても、アニメは枠がありますので放映されます。その場合、すでにできあがっている話を結集した、総集編などが放映されます。実際に、そのような事態に陥ってしまったアニメも、世の中にはいくつもあるそうです。
見積もりを守るためのチームワークとチームビルディング
ワンストップ見積もり本は、主に見積もりを対象とした本です。但し実際には、アニメの「SHIROBAKO」で描かれているように、見積もりその後の制作進行もとても重要です。
見積もった内容をオンスケで進めていくためには「プロジェクトをリードする技術」も大事になってきます。
せっかく見積もりが上手くできたとしても、守れなければ意味がありません。そこで、プロジェクトを開始する段階での見積もり力と、その後のプロジェクトリードの技術が両方とも必要になってくるのです。
さいごに
C95(2018冬コミ)の親方Projectで頒布されるワンストップ見積もり本は、ひたすら見積もりについて語る稀有な技術同人誌です。
どんなにプロジェクトリードが上手かったとしても、最初の見積もりに失敗してしまっては、プロジェクトは炎上します。プロジェクト運営で重要なことは「適正な見積もり」と「プロジェクト進行(リード)」です。
見積もりは大変な作業ですが、その後のプロジェクト進行を左右する重要な工程です。ぜひとも、ワンストップ見積もり本で見積もりの勉強を始めてみませんか?
私も執筆に参加しまして「過⼩⾒積もりで炎上するプロジェクトから得られた学びと実践」という章を執筆させていただきました!