先日、たまたまTwitterで見かけた三橋優希さんの「つながる。」というパズルゲームをプレイしました。
実際にプレイをしてみたら、グランプリを取るのも納得の楽しさでした。何より、プレイしていてほっこりしました!
BGMの選曲も良くて、穏やかさに拍車をかけます。
全国小中学生プログラミング大会、グランプリをいただきました!
— 三橋優希 | Yuki Mihashi🍣 (@YukiMihashi) 2018年10月21日
受賞した作品は「つながる。」という作品で、人の繋がりをテーマにしたパズルゲームです。
Web上で公開しているので、ぜひ遊んでみてください!https://t.co/0cdh6qfyJO pic.twitter.com/n5OsgHmkRE
ところで、三橋優希さんは未踏ジュニアのスーパークリエイターに認定されています。
しかしながら、私は未踏ジュニアについてあまり知りません。定義を公式サイトで確認したところ「独創的なアイデア、卓越した技術を持つ17歳以下の小中高生及び高専生を対象とした、ミニ未踏です。」と書いてあります。
独創的なアイデアや、卓越した技術がどのようなものか気になりました。そこで、2017年(昨年)未踏ジュニアの動画を、いくつか観てみました。
- 菅野 楓さん (narratica〜ストーリーコンサルタント〜)
- 矢野 礼伊さん (見守りフォトスタンド)
- 加藤 周さん (DrawCode 〜ブロックをつなげて自由にHTMLを描こう〜)
- 大野 智葵さん、鈴木 颯介 さん (FRPの概念に触れられるビジュアルプログラミング言語の開発)
- 大塚 嶺さん (らくらく読み読み)
- さいごに
菅野 楓さん (narratica〜ストーリーコンサルタント〜)
自然言語処理によって、映画脚本のテキスト分析を行っています。形態素解析という技術的なアプローチで、サーバーサイドで言語の感情分析を実施しています。
「PHPからMySQLで、文章の感情のスコアを~~~」な言葉が、普通に出てくる世界観です。私も、MeCabで形態素解析は過去にやりました。頻出単語の抽出などをやりましたが、それを応用して、なんと感情分析に適用しています。
シナリオの感情グラフを応用すれば「面白い映画とは何か?」を、具体的にデータで判定することも可能になるかもしれません。
矢野 礼伊さん (見守りフォトスタンド)
祖父を見守りたいというモチベーションで、マイコンを用いてセンサーやカメラデータを取得します。技術書典5の会場でも人気の分野でしたが、「Raspberry Pi」を使ってます!
サーバサイドで、データベース化およびグラフ化をし、さらに機械学習(Chainer)を用いた取得画像の分類まで実行しています。
明らかにスーパークリエイターです。普通のエンジニアが霞んで見えるくらいの実力と言いますか、やっていきに思えます。
「自分よりも高い技術力をお持ちではないでしょうか?」と、言いそうになってしまいました。
加藤 周さん (DrawCode 〜ブロックをつなげて自由にHTMLを描こう〜)
加藤 周さんは、小学4年生からプログラミングをやっています。そしてなんと、自分自身のプログラミング学習で苦労した経験をもとに、プログラミング学習を助けるためのサービスを開発しています。
私は、先日の技術書典5でエンジニアアンチパターンという、自分自身の苦労や失敗談の本を書きました。彼は中学生の段階で自らの経験を振り返り、さらにはサービス化まで検討しています。
確かに、周りにプログラミングを教えてくれる人はなかなか居ないでしょうから、開発の動機やモチベーションとしては、とても納得しました。
大野 智葵さん、鈴木 颯介 さん (FRPの概念に触れられるビジュアルプログラミング言語の開発)
ビジュアルプログラミング言語の開発です。FRPは、関数型リアクティブプログラミングです。
言語のWEBサイトがあります。開くととてもオシャレです。
トークが「Twitterは○○で、GitHubは○○で~~」で始まります。まるで、エンジニアの勉強会で登壇を聞いているような出だしでした(笑)。
マウスの座標管理についての問題提起から、プレゼンが始まります。「手続き型プログラミングのパラダイム~~~」な言葉が、普通に出てくる世界観です。
大塚 嶺さん (らくらく読み読み)
視力の低下で、新聞が読みにくくなった人を助けるアプリです。文字の表示の工夫、読み進めた部分のマーキング、視線追跡などの機能を搭載しています。
特に凄いと思ったのが、ユーザーテストやインタビューを実施していることです。
プロジェクトの中盤にはユーザテストを行い、実際の使用者と対話をしながらインタフェースを改良しました。
まるで、UXデザイナー兼エンジニアのような立ち位置です。たぶん、社会人のエンジニアでも出来てる人はそう多くないと思います。
「ひいおじいちゃんのためのアプリを作りたい」という、素朴な動機が何より良くて、「田中角栄の顔が思い出せない」といった例えが妙にリアルです。
さいごに
未踏ジュニアのスーパークリエータは、本当にスーパーでした。「独創的なアイデアや、卓越した技術」どころか、ハイレベルすぎて驚きます!
柔軟な脳にプログラミングというデジタルを組み合わせると、無限の世界観が広がるんだなぁ。
プログラミングの良い所は、パソコン一つあれば出来ることです。敷居の低さも相まって、老若男女がプログラミングをするような世界観の足音が、近づいている気がします。