『生成AI活用の最前線―世界の企業はどのようにしてビジネスで成果を出しているのか』を読みました。 翻訳本であるため出版のタイムラグがあり、「最前線感」は少し薄まっておりますが、非常に読み応えはありました。
生成AIブームの加速
- 2022年にChatGPTが登場して以来、生成AIブームが加速しています。
- 書店に行けば、生成AIに関連する書籍が溢れています。
- 生成AIの活用に期待はあるが、具体的な活用方針や適用領域はこれから決めていくとしている企業も多いのが現状です。
本書では、生成AIの発展はインターネットの進化に匹敵するほどのインパクトがあり、これによって社会全体で多くのイノベーションが誕生するだろうとしています。
生成AIができること(活用例)
本書に書いた内容も、あくまで一例です。
- テキスト生成: 人間が考えて書いたようなテキストの執筆
- 画像: 画像生成、画像編集
- 動画: 動画編集、動画生成
- 音: 音楽や音声の生成
- デザイン: デザイン作業や設計
- プログラム: コーディング、プログラミング
- 調査: 市場調査や研究など
- ゲーム: ビデオゲーム、仮想現実の生成
生成AIのリスク
法整備や倫理観に懸念があります。
- 誤情報・偽情報の拡散: ディープフェイクにより、誤情報や偽情報が広まってしまう。
- バイアス: バイナスのあるデータで学習されたAIは、偏向された生成結果を返してしまう。
- 権利侵害・プライバシー侵害: プライバシーを侵害する。権利関係をクリアした正規のデータ以外で学習されたAIを使うことによる、権利侵害の不安
- 情報漏洩: 機密情報を誤ってプロンプトに入力したり学習させてしまうと、情報漏洩してしまうかもしれない。
生成AIの活用領域(業界)
大半の業界に影響を与え、影響を受けない業界のほうが少ないのではないかと思いました。
- スポーツ業界: ライブ配信にAI分析したデータを追加すると観客を深く惹きつけることができる
- 出版業界: 書籍の翻訳を効率化する。書籍を簡単にオーディオブック化し、なおかつオーディオブックを簡単に多言語化できる。
- メディア: ラジオ、ポッドキャストの自動翻訳
- 音楽業界: AIで未完成の「最後のビートルズの曲」を完成させる
- クリエイティブ: クリエイターのさまざまな作業を支援する
- 広告: ユーザーに合った広告を自動作成する
- 小売: 生成AIが創出したバーチャル店舗での没入型ショッピング
- 医療: 医師が見抜けなかった病気を患者の医療画像から発見する
- 新薬開発: 生成AIによる新薬研究の効率化、AIがシミュレーションし新薬を発見する
生成AIを安全に使う
生成AIは多くのリスクを抱えつつも、技術革新は止まりません。
- 権利侵害、プライバシー、セキュリティに配慮したAIの使い方をする必要があります。
- データは生成AIの土台となるので、有効にデータ活用すること。リアルタイムのデータがもっともビジネスでは貴重とされています。
生成AIは仕事を奪うのではなく、仕事を効率化する
生成AIによって、人間の仕事がなくなるわけではありません。
インターネットの進化によって新たに誕生したビジネスや人材の流動が発生したように、生成AIでも仕事の効率化によってどんどん価値ある新たなビジネスが誕生し、発展するという前提でビジネスは組み変わっていきます。 その結果、新たな需要や雇用が発生します。
あとがき
「生成AIは数多のリスクを抱えつつも、今後も活用は止まらないであろう」という本書のスタンスから、まだまだ生成AIは黎明期であり、今後は法整備や利活用が進んでいく予感を感じます。
実務でも生成AIを使う機会が増えてきましたが、正しく扱うか否かによって、毒にも薬にもなるのが生成AIです。 さまざまなリスクはありますが、特にセキュリティリスクは注意したいところです。
