NISAで始めた投資の握力を鍛えるために、『ジェイソン流お金の増やし方』を読みました。 数ある投資本の中でジェイソン流を選んだのは、話題作で前から気になっていたのと、主張がシンプルで分かりやすいという評判を見聞きしたからです。
実際に読んだ感想としても、前評判通りでした。 手数料の記述が少し古いなとは思いましたが、主張が一貫しており良かったです。
ジェイソン流の投資術
ジェイソン流の投資術が分かりやすい理由は、『節約して、コツコツ入金して、待つ』、これだけだからです。 そうする理由が、本書につらつらと書いてあります。
逆に言えば、『毎月(または毎週)余剰資金をコツコツ投資して、後は待つ』以外の主張は、本書にはありません。
節約について
全部は真似できないレベルの、節約の徹底ぶりでした。
- コンビニや自販機では買わず、スーパーを活用する
- 格安SIMの活用など、固定費を見直す
- 必要なモノ(価値を感じるモノ)だけを買う
- 交通機関を使わず歩ける距離なら、歩く
- ...etc
ポイントとしては、無駄遣いをしないことにあるのかなと思いました。 『今日の節約が、投資の複利効果によって、倍以上のリターンを将来生み出してくれる』と考えると、ジェイソン氏が節約を頑張る理由も、納得感があります。
入金について
厚切りジェイソン氏がコツコツ入金(投資)しているのは、VTIという全米株式のETFです。 VTIは米国市場全体の株をカバーしているため、言ってしまえば米国市場の株を、(時価総額加重平均で)まるごと買うような行為です。
ただし、VTIは米国ETFなので、日本人が投資するには円からドル転が必要になります。 つみたてNISA(現・つみたて投資枠)での利便性を考えると、インデックスファンドの投資信託が初心者向けとのことです。
なお、VTIに投資する低コスト投資信託では、『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』や『楽天・全米株式インデックス・ファンド』などがあります。
VTIに投資し続ける理由
厚切りジェイソン氏がVTIに投資し続ける理由は、米国経済の過去実績や現状を踏まえたものです。
- 米国経済は幾度の暴落を乗り越え、成長し続けている
- GAFAMに代表されるイノベーティブな企業が、時代の進化によって生み出されていくのが米国である
- 米国企業はグローバルに事業を展開しており、世界全体の成長も米国企業にとって追い風となる
- ...etc
待つについて
『余剰資金を毎月(または毎週)コツコツ投資して、後は待つだけ』が、厚切りジェイソン氏の投資スタイルです。 待つというのはつまるところ、購入した投資信託(またはETF)を持ち続け、長期間運用することを意味します。
待つと言っても何もしないわけではなく、『経済ニュースは、日々ポッドキャストで追い続けている』と書かれている点が、ポイントなのかなと感じました。 株価や市場経済を、冷静かつ俯瞰的に捉えることによって、下落に焦って感情で売却するのを防ぐ効果がありそうです。
経済情報の収集源はSNSではなく、信頼性の高いメディアを利用することも重要そうだな、と読んでいて感じました。
あとがき
コロナショックでの下落経験がコラムに書かれており、父親がリーマンショックで狼狽売りしてしまった体験など、実体験に基づいた主張で説得力ありました。
節約をどこまで頑張るかは検討の余地がありますが、地道な入金を心がけ、「果報は寝て待て」スタイルでコツコツやっていきます。