【推し祭り】技術書典で出会った良書 Advent Calendar 2019の9日目の記事です。 今回推しとしてご紹介するのは、サークルLavenderBlueさんの「ゆゆ式 '90」と「続・ゆゆ式'90」です。 私は技術書典6で購入しました。
「ゆゆ式'90」と「続・ゆゆ式'90」は、「わかる?動かせる?情報処理部に90年代やらせてみた」というコンセプトの同人誌です。
情報処理部の部室に古いパソコンが届き、そのパソコンを使いながら、部室で90年代トークが展開されます。 ノスタルジーは全開で、インターネット老人会クラスタの方が全力で楽しめる内容になっております。
ゆゆ式'90とパソコン通信
「ゆゆ式'90」の世界で描かれているのは、90年代のパソコン通信です。
- 2400bpsだったパソコン通信
- 23時以降の深夜割引による「みかか代」の節約
- ISHによるファイルのテキスト変換
- テレホーダイ(砲台)の登場
- ごく普通のPCに開設される草の根BBS
- ...etc
著者の水瀬さん自身がパソコン通信のBBSを開設した経験があることも相まって、リアルな90年代の話が楽しめます。 私はパソコン通信の経験はなく、インターネットからネットの世界に飛び込んだので、どの話も新鮮でした。
この本の何がおもしろいかと申しますと、とにかくネタが濃いです(笑)。 当時のパソコン通信を実際に経験された方でないと、間違いなく書けないであろう内容です。
続・ゆゆ式'90と初期のインターネット
「続・ゆゆ式'90」の世界で描かれているのは、90年代のインターネットです。
- 56.0kモデム
- MIDI音源の鳴るインタラクティブなホームページ
- ホームページの容量は5メガバイト
- Netscape vs Internet Explorer
- 2000年問題
- ...etc
インターネットは今でこそ大衆化してますが、初期のインターネットにはさまざまな創意工夫や、歴史がありました。
当時の私は学生でしたが、インターネットにはじめて触れたのはこの頃です。 でも読んでいたら、結構知らないこともありました。
前作の「ゆゆ式'90」もそうでしたが、相変わらずネタが濃くておもしろいです。 本書を読んでいたら、当時はじめてインターネットに接続したときの、ワクワク感とドキドキを思い出しました。
ダイアルアップ接続の世界です。 「ピーヒョロロロ~ピーーーゴーーーザーーーー」です。 この音にピンときた方ならば、すでに本書の読者対象です。
私とパソコンとの出会い
「ゆゆ式'90」と「続・ゆゆ式'90」の世界では、NECのPC-9801のような昔のパソコンが登場します。 そのため本書を読んでいると、昔を思い出します。
私の場合、はじめてパソコンと出会ったのは中学校のパソコン室でした。 パソコンの機種は覚えていないのですが、稼働していたOSはMS-DOSです。
ワープロ部ではじめてパソコンに触れる
学校にはワープロ部という部活があり、そこに所属したのがパソコンを使い始めるきっかけでした。 学校のMS-DOSには一太郎がインストールされていたので、私はそれで小説を書いてました。
ちなみに小説の原稿は、3.5inchのフロッピーディスクに保存していました。 当時はカラフルなフロッピーディスクを使おうと思い、外観の色にやたらとこだわっていたことを覚えてます(苦笑)。
書いていた小説はお蔵入りしましたが、もしかしたらこの頃の執筆経験が、現在の技術同人活動に多少は役立っているかもしれません。
ホームページの開設
高校生の頃に、インターネットではじめてホームページを開設しました。
ご多分に漏れず、ホームページにアクセスするとMIDI音源のBGMが鳴ります。 それに加えて、とあるゲームの人気投票をCGIで設置していました。
ウェブサイトはHTMLを使ってすべて自分で書いていたのですが、インターネット上に自分の庭ができたみたいで、すごく楽しかったです。
まとめ
90年代の邦楽(J-POP)はすごかったですが、当時のパソコン通信とインターネットも、進化の過程にあり歴史で満ち溢れています。
「ゆゆ式'90」と「続・ゆゆ式'90」は、ノスタルジー全開で90年代のパソコン通信とインターネットを解説する本です。 当時のパソコンの世界を思い浮かべながら、楽しんでみてはいかがでしょうか?
ちなみに同人誌は、COMIC ZINさんに在庫があるみたいです。