将棋という勝負の世界で、愛に生きる香川愛生さん - 職業、女流棋士の感想

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本屋で見かけた「職業、女流棋士」を読みました。

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

香川愛生さんと言えば、私にとってはファミ通コラムのほうが身近だったりします。星のカービィでお馴染みの、ハル研究所の新人歓迎会でも将棋を指していたりして、ゲーム好きが伺えます。

www.hallab.co.jp

私は毎週ファミ通を読むくらいのゲーム好きですが、将棋も好きです。さらに、本には載っていない内容ですが、「コミックマーケット95」にて「コレカラ将棋ガイド!」という本を頒布されるそうです。

同じゲーム好きで、将棋好きで、同人書きとして読まないという選択肢はない!・・・といわけで楽しく読みました。

女流棋士というお仕事

アニメ「りゅうおうのおしごと!」では、女流棋士を目指すも苦戦している清滝桂香さんが描かれています。事実その通りで、棋士も女流棋士も、どちらも狭き門です。

女流棋士というお仕事は、少しずつタイトル戦が増えていくことによって、知名度が向上してきました。本書はマイナビ新書から刊行されていますが、「マイナビ女子オープン(2007~)」もそのひとつです。

棋士であれ女流棋士であれ、将棋を指すことに違いはありません。奨励会に所属して、棋士を目指す女性もいます。ただ、奨励会は上位2名に入らないと棋士になることができません。輪をかけて狭き門です。

香川愛生さんも、奨励会に所属していたそうです。棋士を志し挫折、そして大学進学を経て、再び女流棋士として帰ってきます。

将棋は頭脳と集中力の戦い

本書を読んでいて感じたことですが、勝負の世界である以上、女流棋士は簡単なお仕事ではありません。勝ち進めなければ対局料は貰えませんし、賞金を獲得することもできません。

さらに、将棋は常に研究されているゲームなので、プロの対局では知識量や先を読む力が求められます。将棋とは、偶然性のほとんどない、盤面を通じた高度な頭脳戦なのです。

そして、将棋は1手のミスが命取りです。わずか1手で形勢がガラッと変わることも珍しくありません。じっくり考えることができれば、ミスが起きることは少ないのですが。将棋は持ち時間が決まっており、限られた時間の中で最善手を指さなければなりません。

菅井七段が、角のワープで失格になったことは記憶に新しいです。見聞きした限りでは、読んでいた数手先の手を指してしまったそうです。

news.yahoo.co.jp

将棋は、頭脳と集中力の戦いです。「考え抜いた最善手を指す」「意表をつく手で相手を混乱させる」「ミスをしない」・・・言葉で書くと単純に思えますが、一度でも将棋を指すと、簡単ではないことがよくわかります。

香川愛生さんも、このような舞台で将棋を指しているのです。

楽しい将棋と普及活動

プロにもなると厳しい世界ですが、将棋は誰でも指すことができます。私も将棋を指しますので、アマチュアの将棋指しであると言えます。

香川愛生さんが興味深いのは「将棋イベントの開催」や「指導対局」「大盤解説の聞き手」などに加えて、一風変わった普及活動にも取り組んでいらっしゃることです。

  • 「コレカラ将棋ガイド!」を同人イベントで頒布する
  • 将棋を描いた作品「りゅうおうのおしごと!」の空銀子のコスプレ

どちらも、将棋への熱意があってこそだと思います。将棋そのものに限らず、将棋に興味を持つためのきっかけ作りこそ、将棋人口の拡大や盛り上がりに繋がります。

メンタルの維持と趣味活動

私も、子供の頃は将棋大会に出でいました。3人チームの大将として出場して「1勝4敗」だったときは、チームメイトに申し訳なさすぎてメンタルが折れかけました。

本書でも、香川愛生さんの将棋指しとしてのメンタルケアの大切さが描かれています。将棋は、メンタルの維持が重要です。負け続けてしまうと、ムキになってしまい指し手に精細を欠いてしまうかもしれません。

私の場合、ストレス発散はゲームや読書ですることが多いです。ゲームや読書に興じると、世界観にのめりこんで何もかも忘れて夢中に没頭できます。香川さんも、日本シャーロックホームズクラブに入会したり、ファミ通にコラムを書いたりと、趣味も楽しむことで豊かなメンタルを維持されているのかもしれません。

さいごに

本書、最後の項は「愛に生きる」で締めくくられています。とても感動しました。将棋を純粋に愛して、指し続ける姿は尊敬します。

私も、小学生の頃は大会に出るような将棋指しだっただけに、将棋を指し続けることの凄さがよくわかります。学生大会でも激戦区なので、プロともなれば更なる激戦区です。厳しい世界ではありますが、それを愛して楽しむ姿が垣間見えて、とてもほっこりしました。

私は将棋が仕事にはならなかったですが、将棋を指すのはもちろんのこと、観ているだけでも楽しいです。

将棋には、「居飛車」「振り飛車」「矢倉」「穴熊」といったメジャーな戦法をはじめ、「地下鉄飛車」「パックマン戦法」「きmきm金」のようなマイナー戦法まで、将棋には戦型がたくさんあります。対局ごとに、一期一会の戦いを楽しむことができます。

とても興味深い本でした。女流棋士をいう世界を、あなたも垣間見てみませんか?

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

職業、女流棋士 (マイナビ新書)