レトロゲームの魅力や面白さに情熱を燃やすゲームづくり - レトロゲームファクトリー

柳井政和さんの「レトロゲームファクトリー」を読みました。ゲーム愛にあふれた、楽しい一冊でした!

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レトロゲームファクトリー (新潮文庫nex)

レトロゲームファクトリー (新潮文庫nex)

レトロゲームを現代の世界に蘇らせるための、努力や不安、喜び、葛藤を描いています。私もレトロゲームは大好きですので、最後まで楽しく一気読みしました。

感想を書いていきますよー。

封印されたゲームの復活を目指す、宝探しのような世界観

本書がおもしろいと感じた一番のポイントは、開発者によって封印されたゲームを復活させるという、宝探し感です。

主人公であるコーギー(白野高義)と灰江田直樹は、レトロゲームの移植を手がけています。そんな灰江田のもとに、「Aホークツイン」を含めた、10本のレトロゲームコレクションの移植話が舞い込んできました。

Aホークツイン(シューティングゲーム)の権利は、開発者の赤瀬祐吾の手にあります。当然ですが、権利者の許可なくゲームを移植することはできません。権利を買い取ろうにも、赤瀬祐吾は謎の失踪を遂げてしまっています。まずは、赤瀬祐吾の捜索からはじめなければなりません。

さらに、Aホークツインは売上こそ良かったものの、数々の不運を背負ったゲームでした。本書は、そんな一本のゲームの移植を巡る物語なのです。

最新のゲームとレトロゲームをめぐる葛藤

大手ゲーム会社のグリムギルドを退社した灰江田が起業したのは、レトロゲームの移植を手がける会社である「レトロゲームファクトリー」です。

灰江田が感じている「最新ゲームを追い求めず、いつまでも俺は思い出のゲームにしがみついている」という感情が、読んでいてとても気になりました。

最新のゲームには、美麗なグラフィックや数々の新機能、長く楽しめるボリュームをはじめ、さまざまな魅力があります。私も今は、新作ゲームの「レッド・デッド・リデンプション2」をプレイしています。

レッド・デッド・リデンプション2【CEROレーティング「Z」】 - PS4

レッド・デッド・リデンプション2【CEROレーティング「Z」】 - PS4

レトロゲームの魅力とは何か?

レトロゲームには、レトロゲームなりの魅力が詰まっていると思います。とくにファミコン時代のゲームは、ボタンが少ないため操作が覚えやすく、すぐにゲームをはじめることができます。

また、昔のゲームは少人数で開発されることが多かったため、開発者の個性が際立ちます。本書に登場するUGOコレクションも、天才的な開発者、赤瀬祐吾の手によって開発されてきたゲームをまとめたコレクションです。

・・・でもやっぱり、一番の魅力は思い出に浸りながらゲームをプレイできることだと思っています。私は、学生時代にゲーム漬けの日々を過ごしましたが、いつもあの頃を思い出します。

  • シムシティをプレイすると、小学生の頃の夏休みを思い出します
  • 星のカービィをプレイすると、祖父母の家に向かう行き帰りのゲームボーイを思い出します
  • ひたすらタイムアタックで競っていたスーパーマリオカート!
  • ...etc

思い出補正と言われればそれまでですが、昔のゲームには思い出が詰まっているのです。

ニンテンドークラシックミニの流行とゲームアーカイブス

最近では、ニンテンドークラシックミニによって、レトロゲームが改めて見直されはじめました。

ただ、クラシックシリーズは、決められたゲームしか遊べないという欠点があります。そこで、個人的には「ゲームアーカイブス」の充実に期待しています。

過去のゲームがオンラインで買えるゲームアーカイブスでは、まさに最新機種で現在のゲームが蘇ります。

レトロゲームの移植に全力をそそぐ

本書の主人公であるコーギーは、レトロゲームの移植を得意とし、アセンブラレベルのゲームをスマートフォンに移植する技術を持っています。しかも、単純にエミュレーター上で動かすわけではなく、しっかりと最新機種に向けて最適化しています。

コーギーの技術力は、はっきり言って高すぎます(笑)。それゆえに、まともな給料を払えないジレンマを「レトロゲームファクトリー」の社長である灰江田は感じるわけです。

給料が安くてもコーギーが働き続ける理由は、雇ってもらった恩義に加え、何よりもレトロゲーム愛が彼を突き動かしています。

私はシューティングゲーマーなのでよくわかるのですが。たとえば、ゲームセンターで稼働していたシューティングゲームの移植は、本数が売れる世界ではありません。それでも移植がされる理由は、移植する方々がゲーム愛を持っているからです。

さいごに

本作はゲームを移植する物語ですので、ゲーム制作の過程を垣間見ることができます。本書を読むと何が起きるかって、ゲームが作りたくなってきます(笑)。

私にとってのゲームの魅力は、時間を忘れて没頭できることです。ゲームをプレイしていると、時間の経過が早すぎます!

レトロゲームファクトリーのビルの一階にある、ドットイートという喫茶店でめぐりあう登場人物も魅力的です。本書は、レトロゲーマーに限らず、すべてのゲーマーに向けた本であると思います。

きっとあなたも、ゲームが作りたくなって来ること請け合いですよ。

レトロゲームファクトリー (新潮文庫nex)

レトロゲームファクトリー (新潮文庫nex)