このすみノート

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KDPを使って、技術書典5向けの技術系同人誌をAmazonで頒布してみる

KDP(Kindle Direct Publishing)という仕組みを使って、技術書典5向けの「PHP中級者を目指す 〜言語を使いこなすための本〜」をKindleに並べてみました。

あまりに酷い「カスタマーレビュー」が続かない限り、Amazonにも本書を置いておこうと思います。

思ったよりもスムーズにストアに並べることが出来たので、感想やら知見やらを共有していきます。

目次

出そうと思ったきっかけ

Kindleストアに置いてみようと思ったきっかけは、同じく技術書典5に出典する理音伊織さんのツイートです。

サークル「理ろぐ」さんの本は、実際にAmazonにあります。おお、同人誌でもKindleに置くことができるのか!・・・と、感動しました。

Qt Quickアプリの設計事情 (理ろぐ)

Qt Quickアプリの設計事情 (理ろぐ)

まずは KDPにアカウント情報を登録する

KDPのサイトから、サインインします。まずはアカウント情報を登録する必要があります。

(※アカウント情報を設定しないと、本の出版を開始することはできません)

f:id:konosumi:20181004015354p:plain

「税に関する情報」以外は、普通に入力するだけです。支払いの受け取り方法は、普通に銀行口座を設定しました。

税に関する情報はややこしい

「税に関する情報」の入力を進めていると「個人向け米国納税者番号TIN(ITIN)」の入力欄に遭遇します。最初はここにマイナンバーを入れるのかと思っていたのですが、どうやら違うみたいです。

f:id:konosumi:20181004020351p:plain

「私は米国以外のTINを持っています」のチェックを外すと「私が税金支払い義務のある国では、居住者にTINを発行していません。」が選択できるようになりました。

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参考:Kindle『税に関する情報』勘違いしてる人多すぎ!?直接KDPに徹底的に問い合わせてみた!

manemichi.com

本のアップロードできる形式

PDF

本のアップロード形式は、わりと様々なフォーマットに対応しています。

kdp.amazon.co.jp

対応フォーマットにPDFがあったので、最初はPDFでアップロードしてみました。ただ、プレビュー結果があまりに酷かったので、早々にPDFは挫折しました(苦笑)。

注意事項にも、PDFは使わないでくださいと書いてあります。

PDF ファイルも使用できますが、PDF ファイルには、電子書籍に適切に変換されない組み込みの書式設定や画像が含まれている場合があります。

注: 現在サポートされる PDF の原稿ファイルは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、カタロニア語、ガリシア語、バスク語で書かれたものだけです。現在、日本語の本はサポートされていません。

引用:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200634390

Word(docx)

PDFは駄目だということが分かったので、次にWord形式でアップロードしてみました。具体的には、PDFをdocxに先にコンバートしてから、KDPにアップロードします。

結果的にPDFよりは見た目は良かったのですが、それでもまだイマイチでしたので、これも挫折しました。おそらく、PDFを無理やりdocxにコンバートしたのが良くなかったのかもしれません。

EPUB

PDFもWord(docx)も失敗したので、最後にEPUBで挑戦してみました。Re:VIEWにはEPUB用の出力機能があるので、それを使って行ないます。

docker run --rm -v $(pwd):/work -v $(pwd)/.texmf-var:/root/.texmf-var \
    vvakame/review:latest /bin/sh -c "cd /work && review-epubmaker config.yml"

EPUB形式をアップロードしたら、普通に見れました。もともとPDF用に作っていた本ですけど、コマンド一発でEPUBが出力できるのは便利です。

ただ、EPUB向けに最適化して作っていた本ではなかったので、出来ればPDFでもアップロードしたかったです。KDP側のPDF対応が待たれます。

ロイヤリティは35%か70%か

ロイヤリティは、35%と70%が選べます。普通に考えたら70%を選びたくなります。

f:id:konosumi:20181004022507p:plain

ただ、70%はKindle独占販売のだけ選んで良い選択肢みたいです。

KDPセレクトに登録しない人 => どんな値段でもロイヤリティは35%

KDPセレクトに登録いただいた場合、登録期間中は、本のデジタル版をAmazonのみで販売や公開するという独占規約が適用されます。

引用: https://manemichi.com/kindle-kdpselect#KDP-2

私の場合、PixivのBOOTHでも電子書籍を頒布するつもりなので、35%を選択しました。70%は確かに名残惜しいですけど。

審査

審査は「48時間以内に完了します」と表示されていたような気がします。すみません、キャプチャを忘れていたので不確かな記憶です。

私の場合、審査に要した時間は約一日程度で、特にリジェクトもされずに通りました。ここまですんなり通るとは思ってなかったので意外です。

さいごに

Amazonに自分の名前が並んでいると、やっぱり嬉しいです。

「星1のレビューがつかないかなぁ」などの不安はありますが、そもそもレビューが付くくらい売れるのか怪しい上に、先ほどレポートを見たら予約注文数は「0」だったので、のんびり気長に販売するような世界なのかなぁと思います。

Kindle独占販売を選んだ場合は、もしかしたらAmazonさん側で本書を販促してくれるのかもしれませんが。気長に売れ筋を見守っていこうと思います。