優しい音楽が紡ぐ、マンドリンアンサンブル(サークル)の休日ライフ 休日に奏でるプレクトラム

「休日に奏でるプレクトラム」という本を読みました。

休日に奏でるプレクトラム (メディアワークス文庫)

休日に奏でるプレクトラム (メディアワークス文庫)

著者は神戸遥真(こうべはるま)さんという方で、主人公の未奈と同じく土日はマンドリン・アンサンブルに所属しています。なんと、マンドリンを始めてから、はや15年だそうです。

そういうわけでして、本書は著者のマンドリン愛に溢れた、音楽づくしの一冊となっております。

それでは、ネタバレ感想を書いていきます。

マンドリンとは?

マンドリンとは、古代由来の楽器「リュート」を祖とし、19世紀中頃イタリアで大改良されて生まれた撥弦楽器(はつげんがっき)です。

d.hatena.ne.jp

本書はマンドリン・アンサンブルの美浜プレクトラムを舞台とした本でして、主人公の未奈もマンドリンを弾いています。本書内でも、マンドリンは音楽の初心者にもオススメの楽器であると紹介されています。

「羊と鋼の森」を読んでいた時も感じていたのですが、音楽は人を豊かにするなぁ。私も弾きたい。

www.konosumi.net

未奈(主人公)の成長を見守る物語

本書は、上司からマンドリン・アンサンブルに誘われた主人公が、マンドリンの演奏を通して成長していく過程を描いた物語です。

主人公である未奈は「私なんて」が口癖で、弱気で内気な性格の女性です。しかし、マンドリン・アンサンブルでの交流によって、少しずつ自信を取り戻していきます。この心境の変化の過程がとても楽しくて、ついつい先が気になって読み進めてしまう魅力が、本書にはありました。

何故ここまで共感できたのかと言いますと、自分も性格が似ているからです。特に未奈は、大学生時代にインターネットの掲示板で演奏を批判されたことがきっかけで、すっかり自信を失っています。私も、今の自分にはさっぱり自信がありません(苦笑い)。

「プライベート(私生活)が充実すると、仕事もうまくいく」とはよく言いますが、まさにそれを体現しているような物語です。

二重人格の堂ノ上さん

未奈の上司である堂ノ上さんは、職場ではとても紳士的なデキル上司です。そんな堂ノ上さんですが、職場を離れると一気に性格が豹変します。

マンドリン・アンサンブルでの堂ノ上さんは、まさに鬼軍曹です。しかし、読み進めていくとただ厳しいだけではないことに気づきます。未奈が堂ノ上さんに恋をした理由も、おそらく同じでしょう。

ここまで性格を豹変させることが出来るのは、さすがに才能ではないかと思いますが、意外と弱い面も垣間見えます。石川さんが演奏を聴きに来ると知った堂ノ上さんは、柄にもなく緊張しています。人間味があって良いですね。

f:id:konosumi:20180601022136j:plain

週末は、趣味と恋の時間です

本書は、趣味の楽しさを教えてくれる本でもあります。美浜プレクトラムに所属しているメンバーは個性豊かですが、みんな演奏を楽しんでいます。私みたいな、休日は寝溜めしてしまうような人にとっては、とても耳が痛い本でもあるのですが(苦笑い)。

そして恋です。まあ、読み進めていて、恋してしまう気持ちもよく分かりました。「私なんて」が口癖だった人生が、堂ノ上さんに誘われたマンドリン・アンサンブルによって、彼女は勇気を獲得しました。

マンドリンを再開したことがきっかけで、大学生時代にインターネットの掲示板で演奏を批判した「平家くん」と、仲直りすら果たしてしまうのです。

週末に映画を観たり小説を読みたい

本書の主人公である未奈の場合は、週末のマンドリンによって人生が輝き出しました。私の場合だったら何だろうと考えてみたのですが、やっぱり映画や小説かなぁと思ってます。

映画は、映画館で観るのも家で観るのも大好きですし、最近は通勤中にもっぱら小説を読んでいます。どうやら、私は本の虫みたいです。

エンディングは少し弱い

「休日に奏でるプレクトラム」は、とても楽しい本だったのですが、唯一残念だったところは、オチが弱いところです。ハッピーエンドではあるのですが、分かりやすく恋が成就するわけでもないですし、終わり方としては無難なエンディングな気がします。

逆に言えば、最後まで優しい本でした。さすが「優しい音楽が紡ぐ、癒やしの休日ライフ」な本です。

さいごに

読み終えた時の最初の感想は、趣味っていいなぁでした。好きなことに対して無邪気に熱中できるのは、とても素晴らしいことだと思います。

先日劇場で鑑賞した「恋は雨上がりのように」も、同じく好きなことに打ち込むための葛藤を描いた作品でした。

www.konosumi.net

未奈も無事にマンドリンを再開することができたし、美浜プレクトラムのメンバーは個性豊かで楽しいし、休日の過ごし方としては理想形じゃないかなぁ。

休日に奏でるプレクトラム (メディアワークス文庫)

休日に奏でるプレクトラム (メディアワークス文庫)