「うっかり鉄道」という、鉄道エッセイの本を読みました。

- 作者: 能町みね子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/04/10
- メディア: 文庫
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イラストが豊富に描かれていて、読んでいて楽しい本なんですけど、かなりマニアックです。私なんかよりも、鉄分は物凄く高いと思う。
読み終えましたので、感想を書いていきます。
鶴見線の国道駅
第一話で登場するのは、鶴見線の国道駅です。著者の能町みね子さんが、一番好きな駅らしいです。いやはや、のっけからマニアックです。
国道駅の改札はガード下にありまして、まるでトンネルのような場所にあります。
続いて、南武支線の八丁畷(はっちょうなわて)駅が登場します。ちなみに、私は普段から南武線ユーザーですので、八丁畷駅はたまに利用します。京急への乗り換えは微妙にややこしくて、ホームに設置している改札機にタッチする必要があります。
初めて八丁畷を利用したときは、タッチをしなかったせいか、大した移動距離でもないのに大回り換算されてSuicaから引かれました(悲)。確か700円くらいだった気がする(記憶違いでしたらごめんなさい)。
話は戻りますが、鶴見線はローカル線の中では東京からかなり近く、その名の通り鶴見駅から乗れます。下の写真は海芝浦駅ですが、お手軽なローカル線デビューとしてはオススメではないでしょうか?ただ、海芝浦駅はダイヤの本数が少ないので、国道駅のほうがデビュー戦としてはおすすめですが。
古い寂れた駅舎が好きである
本書で最も印象的だったのは、錆びた駅名の看板で盛り上がるところや、琺瑯(ホーロー)看板な好きであるということを、嬉々と語っているところです。
琺瑯看板というのは、いわゆる以下のような看板のことを言います。琺瑯看板に巡り合うために、北海道まで行ってしまうのですから驚きです。
本書では、宗谷本線と留萌本線が舞台です。留萌本線は「留萌~増毛間」が2016年に廃止され、残る深川~留萌間もバス転換が検討されているような寂しい路線です。ただ、この本自体は2010年に刊行された「おんなふたり、ローカル線めぐり旅 うっかり鉄道」が元となっているので、おそらく廃線で話題となる前の話かと思います。
平成8年8月8日に、八のつく駅で切符を買う
第3章は、読んでいてお茶を吹き出しそうになりました。平成8年8月8日の8時8分に、八のつく駅で切符を買うという事がきっかけとなり、ゾロ目切符をめぐるエッセイがスタートします。
私も比較的鉄道は好きな方でして、興味はあるのですが、そのような楽しみ方があるとは全くもって思いつきませんでした。
さらになんと、同じ様なことを考える鉄道ファンが、他にもたくさんいると言うのですから驚きです。
市川紗椰さんの解説が素晴らしい
本書の巻末に、市川紗椰さんの解説があるのですが、これが鉄道愛に満ちておりまして、とても素晴らしいです。そこに、○○鉄の種類を解説した話があります。
解説を読んで初めて知ったのですが、〇〇鉄にはこんなにたくさんの種類があるらしいですよ。
- 乗り鉄:鉄道に乗ることが好き
- 撮り鉄:鉄道写真を撮ることが好き
- 音鉄:列車のモーター音などの鉄道の音が好き
- 車両鉄:車両そのものが好き
- スジ鉄:時刻表を見て楽しむ
- 収集鉄:鉄道にまつわるアイテムを集める
- 呑み鉄:列車でお酒を飲む
- 模型鉄:鉄道模型を楽しむ
- 駅舎鉄:駅舎が好き
- 空想鉄:架空の鉄道を想像して楽しむ
- 他にも、懐古鉄、基地鉄、廃鉄、ゲーム鉄、ママ鉄、受信鉄、葬式鉄などがあるらしい
ちなみに、私は乗り鉄です・・・と言っても、全国の鉄道を乗り回してみたいなことは全然できていないので、乗り鉄と言えるほどではないんですけどね(汗。
さいごに
本書は、たまたま駅の本屋でみかけたので購入しただけなのですが、かなり深い鉄道ネタのエッセイでした。
著者の能町みね子さんは「JR派!」と巻末で豪語しておりますが、本書にはゆいレールや江ノ島電鉄(江ノ電)の他、土電(高知の路面電車)も登場します。北から南まで、バリエーションが豊富な鉄道エッセイです。
余談ですが、次の電車を待つまでの時間をカフェで時間を潰す辺りが、女性っぽいです。お洒落なカフェには目がないようですが、意外にローカルな場所にもカフェがたくさんあるのですね。
私も鉄道は大好きなので、本書はとても楽しく読めました。ちなみに、私の好きな映画は「僕達急行 A列車で行こう」でして、以前、川崎から何の目的もなく上野東京ラインに乗車して、車窓を楽しむという乗り鉄(車窓鉄)をやってみたりしてみました。
鉄道旅行には、独特の魅力があります。本書はローカル線を舞台にした鉄道エッセイでしたが、ローカル線の旅はとても風情がありますし、鉄道ファンのみならずオススメですよ!

- 作者: 能町みね子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/04/10
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