こんにちは。
先日、劇場に行きまして、映画氷菓を観てきました。米澤穂信氏による小説「氷菓」を映画化したもので、古典部シリーズの第1作になります。
感想としては、好みが分かれそうな作品だなぁという印象です。まずは、予告編をご覧ください。
(注釈:私は本作は気に入りました)
なお、本記事にはネタバレが含まれております。予め、ご了承願います。
なぜ、評価が分かれてしまうのか?
私は、評価が分かれてしまう一番の理由は、主人公の性格と作品の特性にあると推測します。
- 勉強、部活、恋愛に勤しむようなバラ色系男子の対極である、灰色系男子を心情としている。つまり、積極派の正反対であり、面倒なことは極力避ける性格である。
- ミステリの分類で言うと、安楽椅子探偵に近いです。推理中は止まって考え込むので、地味である。
ドラマティックな展開が少なく、比較的淡々と、抑揚もなく物語が進むので、ここが良かった!・・・というポイントが、いまいち思い浮かびづらい作品になっています。そこがネックですね。
あと、ヒロインである「千反田える」の登場シーンにおいて、割と突拍子もない展開から「鍵が勝手に閉まったこと」の推理に入るので、少し強引な印象を受けました。
私が今回の映画を気に入った理由
単純に言ってしまえば、私は主人公と性格が似ていたので、共感しました。
主人公である「折木奉太郎」は、面倒くさいことが嫌いな性格のはずなのに「千反田える」の登場によって、どんどん面倒くさいことに巻き込まれていきます。
最初は嫌がっていた主人公も、徐々に性格を変え「灰色の学園生活のままで良いのか?」と、自問自答するようになります。その流れに、私は共感を覚えました。
灰色を心情としていた主人公が、様々な出来事によって色づきはじめていくのです。私もそういう青春を送りたかったです!
つまり、ミステリとしてだけでなく、青春映画としても捉えるかどうかがポイントかなぁと思います。
実写映画化によるキャストについて
インターネット上では、キャストに対して批判的な声も多くあるようです。
個人的には違和感なかったのですが、こればっかりは好みもあるので、正直なんとも言えないところです。
まあ、私がアニメ版の氷菓を観たことがないというのも影響しているのかもしれません。
・・・なので、これを機に、アニメ版の氷菓も観てみようと思いました。
さいごに
とにもかくにも、不思議な作品でした。
ドラマティックな展開は少なく、抑揚もあまりなく、物語が進むのですが、最後には話に惹き込まれてしまっている自分がいました。
地味な作品なので、万人におすすめできるような作品ではないのですが、これはこれでありなのかなぁという印象です。