【映画感想】イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

年末年始にTOKYO MXで放送されていた「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を録画していたのですが、時間があったので観賞しました。

ちなみに、Amazonビデオでも鑑賞することができます。

本映画は、チューリングマシンやチューリング賞で有名な「アラン・チューリング」の偉業を描いた映画です。

ここから先はネタバレがありますでご注意ください・・・と言っても、本映画は史実を元にして描かれていますので、ネタバレといっても歴史の解説になるわけですが。

それでは感想を書いていきます。

エニグマとは何か?

エニグマとは、第二次世界大戦中にナチス・ヒトラーのドイツ軍が使っていた暗号のことを言います。

当時は、暗号電文によって機密情報がやり取りされていました。この暗号電文は頻繁に飛び交っていますので、それこそ小中学生であっても、無線を傍受する機械さえあれば盗むことが可能です。

しかしながら、傍受したところで暗号化されていれば読むことはできません。

暗号解読プロジェクトが極秘裏に結成される

ナチス・ヒトラーの侵攻に苦戦を続けているイギリス軍ですが、もちろん手をこまねいていたわけではありません。

そこで、ドイツ軍のエニグマという暗号を打ち破るための「暗号解読プロジェクト」が極秘裏に結成されます。そこに所属していたのが「アラン・チューリング」だったというわけです。

嫌われ者のアランの成長を描く

「アラン・チューリング」は、数学者として見てもとても優秀な人物でした。しかしながら、自分の殻に閉じこもってしまう性格があり、周りからは好かれていないどころか、煙たがられています。

しかしながら、彼は「ジョーン・クラーク」の一言によって変貌します。「周りの協力なしでは、先に進むことはできない」そのようなアドバイスによって、彼は変わりました。

クロスワードパズルの天才ジョーン・クラーク

本映画で重要な役割を果たすのは、クロスワードパズルを5分で解くことが出来た「ジョーン・クラーク」です。

主人公であるチューリングは、彼女とのやり取りによって変わっていきます。彼女が固く閉ざされたチューリングの心の扉を開くことで、仲間の強力を得て、ついにはエニグマの解読に成功するのです。

また、遂にはアランと婚約をすることにもなるのですが、それは残念がら果たされないまま終わってしまいます。人生は皮肉ですね。。

暗号解読に成功したとバレてはならない

無事に解読に成功したエニグマですが、これを公にすることはできません。何故ならば、暗号解読に成功した事がバレてしまうと、違う暗号方式に変えられてしまうからです。

暗号方式が変えられてしまっては、また振り出しへと逆戻りです。暗号通信を解読することが出来なくなってしまいます。そこでイギリス軍は、暗号解読に成功しているという事実がバレないように、こっそりと戦局を有利を進めるという作戦に打って出ます。

つまり、ドイツ軍にバレないような巧みな嘘をつきながら、戦争の作戦を立てていくのです。

同性愛者という秘密

本映画は、暗号解読プロジェクトの物語かと思いきや、それだけではありません。「エニグマと天才数学者の秘密」というサブタイトルがありますが、その秘密とは同性愛者のことだったのです。

当時のイギリスでは、同性愛は犯罪であり、逮捕されてしまいます。映画内でも「アラン・チューリング」に対して逮捕令状を発行するというシーンが描かれています。

チューリング氏の自殺に関しては「ベネディクト地球歴史館」にて詳しく書かれていますが、毒リンゴを食べて自殺したとのことです。

アラン チューリングと毒リンゴ

とにかく、同性愛者にはとても生きづらい時代だったのです。今でこそ「LGBT」として社会的に認知されており、芸能人が積極的にカミングアウトするような時代になりましたが、当時はとてもつらい状況でした。

チューリングの功績

チューリングの功績は、とても偉大です。何せ「パソコン」や「コンピュータ」の礎を築いた人物だからです。それは計算機科学分野において、チューリング賞という賞があることからも明らかでしょう。

このチューリング章は、コンピュータ界のノーベル賞とも言われています。ここから先の解説は、私よりも専門家に語って貰った方が良いでしょう。例えば、以下の教職員の方の記事には、チューリングの功績が分かりやく書かれております。

1950年に「計算機構と知能」という論文を書き、機械が人間の知能を持つかどうかの検証方法について論じた。この論文で示されたイミテーション・ゲームは後にチューリング・テストと呼ばれ、人工知能の分野で重要な概念として用いられることとなった。

1952年に書いた「形態形成の化学的基礎」という論文は、生命体の模様のパターンがどのように生まれるかという課程を反応拡散系という微分方程式で表そうしたものであり、その結果はチューリング・パターンとして知られている。これはその後の、自己組織化という複雑系の科学へも発展していく。

こうしてみると、チューリングは不完全性定理の証明から始まって、コンピュータの原理の考案、暗号解読、コンピュータの開発、人工知能への貢献、そして複雑系の科学にも通ずる生物形態学にも貢献している。その天才ぶりには驚くべきものがある。
引用:チューリングの功績 : 大学教員のつぶやき

イミテーション・ゲームとは?

イミテーション・ゲームとは、機械が人間の知能を持つかどうかを検証するゲームでした。

チューリングは、エニグマを解読する機械に「クリストファー」と名付けますが、それは学生時代の親友の名前です。このことからも、彼は機械をただの機械ではなく、人間として扱っていたのではないでしょうか?

さいごに

本作は、専門家以外にはあまり功績の知られていない「アラン・チューリング」にスポットをあてた映画です。

暗号解読という、軍事機密でトップシークレットの業務に携わっていた以上、ある程度は仕方のない側面もあります。それに輪をかけて彼が同性愛者だったため、事実は公表されることはありませんでした。

長い間トップシークレットとされ続けた実話にスポットをあてた本作ですが、とても面白い作品でした。Amazonビデオをはじめとしたインターネットでの配信されているようです。

ぜひ鑑賞されてみてはいかがでしょうか?

それでは。