【書評】逆境での闘い方 - 三浦大輔のメンタルコントロール論

「逆境での闘い方」は、横浜ベイスターズの元エースピッチャーである番長こと三浦大輔氏が綴った、主にメンタルコントロールやマインドについて記述された書籍になります。

逆境での闘い方(だいわ文庫 D 341-1)

逆境での闘い方(だいわ文庫 D 341-1)

文庫化にあたり、再読しました。彼の投球に勝るとも劣らない、情熱がこもった良書です。

それでは、プレイボール!

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人は失敗なくして成長しない

三浦大輔氏は、「逃げない自分」を貫き通します。その理由は、高校時代にまで遡ります。

高校に入学すると、中学の同級生と遊びたくなり、同じように遊びほうけた。

授業中にもかかわらず窓から教室を抜け出し、後者の裏口から脱走するといった行動を頻繁にとるようになり、学校へのあまり行かなくなった。

自分が犯してきたその行為が「逃げ」だと気づいてからでは遅かった。まわりは誰も自分を信用してくれなくなった。

スランプや故障、二軍生活、現役時代も数々の困難がありました。それでも投手として頑張ってこれたのは、彼が持っている強い芯であり、軸があったからだと思います。

「失敗が成長を生む」理論は、様々な書籍でも言われています。三浦大輔氏の場合は、失敗が「自分という存在の確立」を生みました。

数々の失敗を経て「逃げない自分」こそが自分であるという理論にたどり着いたわけです。この自分真理は生半可な理論ではなく、強固な自分として跳ね返ってくることでしょう。

やはり番長はカッコいい。

リーゼントは周囲へのアピール

プロ野球選手は、厳しい勝負の世界です。一つの球団をとってみても、投手は30人ほどいます。試合でつかってもらえなければ、どんなに実力を持っていたとしても、あまり意味はありません。

そう、目立つのは重要なことなのです。

「あんな髪型だから、あいつはろくに練習もしないんだ

目立つのは良いことばかりではありません。注目が集まっていれば、失敗したときも際立ってしまうのは必然です。これは「背水の陣」であり、彼は人一倍、練習に取り組みました。

そう、エースピッチャーの裏には、血が滲むほどの練習があったのです。

しかしながら、アピールしたいからリーゼントにするという発想は、面白い考え方です。私には出来る気がしない(苦笑)。

限界を超え、チャンスを掴め

野球には練習がつきものです。では、どのように練習すればよいでしょうか?三浦大輔氏の提案する練習理論は、「限界を超える」というものです。

これは、最近読んだ「エラスティックリーダーシップ」でも似たような内容が記述がされており、要約すると以下になります。

人は「限界」を超えるからこそ成長できるのです。

限界を超えるのは大変です。持てる力の120%を出さなければなりません。でも、それが自分の体に定着すれば、今までの自分の120%の力が新しい自分の100%の力に早変わりします。

限界を超えるためには心も身体も工夫しなければなりませんから、結果として鍛えられます。これは、スポ根の根底にある理論だと思いますが、ワークライフバランスをはじめとした効率的に働くスタイルが求められる現代だからこそ、見直す機会が訪れているかもしれません。

私なりに要約しますと、以下の一文になります。

効率を考えるのは身体が衰えてからでいい。吸収できるうちは、たくさんのことを吸収するんだ!

理論的には単純ですが、実践するのはとても難しい。でも、それを貫けるからこそ、強い投球が形作られるのでしょう。

オリエンタルラジオの「あっちゃんカッコいい」を「番長カッコいい」に言い換えたフレーズが、頭の中で無限ループしています。

自由とは責任を持つということである

私が本書で最もカッコいいと感じたのは、以下の部分です。

「自由」というのは、いうなれば責任を持たされるということ。そうなると余計に自分に厳しくしなければならない

プロ野球選手の場合は、「試合で活躍すること」が求められます。コーチがあれこれ指導してくれているうちは、言われたとおりのメニューをこなしているだけでも成長するでしょう。

では、自由になったらどうでしょうか?「試合で活躍すること」は、プロ野球選手である以上変わりません。しかし、そこへ至る過程は自由です。だからこそ、我々は自由であるが故に自分の行動に責任を持たなければなりません。

これは、リーダーシップ論でもよく言われていて、あれこれ指示するリーダーよりも、バトンを渡すリーダーの方がメンバーを刺激し、結果的にメンバーが成長し強固な組織になることが多いといった理論に通ずるものがあります。

私なりの言葉で表現するならば 「独り立ちとは自由になる(=責任を持つ)ことである」 となります。これは、全ての社会人が意識しなければならない事であると感じます。

番長の紳士さと真面目さが伝わる良書

本書を通して描かれるのは、王道のメンタル理論です。しかし、最初から上手くいったわけではありません。紆余曲折の失敗を経てたどり着いた、血と汗と涙の結晶である「メンタル理論」であると感じます。

番長の熱い投球をキャッチャーとして受け取った我々は、人生というゲームでんな投球をしますか?

  • 熱い人生を送る、ストレート一本の男気派?
  • 緻密に計算高く生きる、精密機械のコントロール派?
  • オンとオフの切り替えが上手い、メリハリをつける緩急派?

何はともあれ番長お疲れ様でした!

逆境での闘い方(だいわ文庫 D 341-1)

逆境での闘い方(だいわ文庫 D 341-1)